専用ゲージ・測定ゲージが活躍する業界

特注・専用ゲージの設計・製作を行う当社では、様々な業界に向けてゲージの製造を手掛けています。当社の専用ゲージは、自動車業界をはじめ、電機・半導体・制御機器・建築関連など様々な業界で利用されています。しかし、すべての工業製品に対して専用ゲージが必要かというと、そうではありません。ゲージを必要とする製品というのは

①：ミクロン単位精度が求められる。

②：ひとつの製品に対して測定項目が複数存在し、検査に時間がかかってしまう。

③：ロットが数百・数千個の量産品である。

という製品です。

では、なぜ、これらの製品に絞られるのか？というと、最終製品のコスト（売価）に起因しています。

一般的な生産ラインにおける製造工程としては、加工、表面処理・熱処理、検査・測定という流れとなります。製造後にお客様にワークを納品する上では、要望（図面指定）を満足しているかどうかを正確に判断しなければなりません。つまり、最後の工程である“検査・測定”は非常に重要な要素となります。しかし、この検査・測定工程にコストをかけるべきかどうかは十分に考えなえればなりません。そこで、次に製造におけるコストの考え方について以下にお伝えします。

専用ゲージ・測定ゲージを購入するかどうかを考えるポイント

考え方として、製品を作り、お客様に提供する場合、製品の売価・見積もり金額というのは、

（売価）＝（材料コスト）＋（加工チャージ）＋（その他のコスト）

で計算をされます。その為、なるべく安く材料を仕入れ、短い時間で加工を行う様にすることでコストが抑えられ、自社製品の価格競争力がつき、魅力ある製品をつくることができるという考え方をします。

その中で、当社の製作する製品というのはお客様が検査工程で使用するものであり、製品が出来上がるまでに直接かかわるものではありません。その為、確実に必要なものであるかというとそうではありません。

お客様によっては、専用ゲージはコストアップになるだけなので、使用しないという場合もよく見られます。

しかし、その一方で（その他のコスト）に含まれる人件費とのバランスを考えたときに必要だと判断される場合もあります。

つまり、必要な時に、必要なコストをかけることが自社の商品の競争力をつけることに成功するポイントであり、検査工程において（人が測定して必要となる時間によるコスト）Vs（ゲージを購入するコスト）というバランスを考えて頂き、ゲージを使うことでコストメリットが出せる場合に、当社の製品は有益なものとなります。

その視点に立った時に、自社製品が、

①：ミクロン単位精度が求められる。

②：ひとつの製品に対して測定項目が複数存在し、検査に時間がかかってしまう。

③：ロットが数百・数千個の量産品である。

に該当するかどうかは一つの判断基準であるといえるでしょう。

ゲージを使用した測定・検査は、一般的な測定機器を用いた場合と比較して、検査時間を大幅に削減することができ、上記のとおりコストダウンが可能となります。また、工程内検査でゲージを使用すると加工時に適宜測定を行えるために、“削りすぎた！”といった不良を起こすことなく加工ができる為に、生産性の向上が見込まれます。
このように高精度部品の製造においてはロット数により、専用の測定ゲージを設計・製作することは非常に有益であると言えます。

測定ゲージが使われている業界について

測定ゲージが使用される最も代表的な業界として、自動車があげられます。自動車のエンジン回りの部品は、ミクロン台の精度が求められ、不良品が組み付けられて製品として出荷されると非常にリスクが高く、影響も甚大です。その為、業界の標準として全数検査がほとんどであり、新型機種が出るたびに微妙な仕様変更をした数万に及ぶ高精度部品が検査されていきます。
近年では、電子部品の回路の測定ゲージや医療機器関連で製品専用の測定ゲージを製作する等、検査・測定の工程における効率化を推進する流れとなっており、他業界へとゲージによる測定のニーズが広がりを見せています。