当ページでは拡張式マンドレルと油圧マンドレルについて、作業性やコストなどを比較します。
拡張式マンドレルと油圧マンドレルの比較
拡張式マンドレルと油圧マンドレルを比較した場合の、拡張式マンドレルのメリット・デメリットを説明します。
拡張式マンドレルのメリット
まずは拡張式マンドレルのメリットです。
コスト
拡張式マンドレルは油圧マンドレルよりも、価格が安価になります。油圧マンドレルでは、油圧を用いる本体に加えて、ワークセットする際に用いる割カラー(コレット)が0.05mm単位で別途必要になります。
<参考>
油圧マンドレル:40万~
拡張式:20万~
測定範囲
拡張式マンドレルは爪(ジョー)が広がるため、測定範囲を広くとることができます。しかし、油圧マンドレルは油圧で広がる範囲がほとんどなく、ワーク内径に合わせた本体と割カラー(コレット)が必要になります。
拡張式マンドレルのデメリット
一方で、油圧マンドレルと比較した場合に、拡張式マンドレルにはデメリットもあります。
繰返し精度
爪によってワーク内面をセットしている拡張式マンドレルに対して、油圧マンドレルは割カラー(コレット)を油圧で広げることで、ワーク内面を均等な力で受けることができ、ワークの固定性が高くなります。そのため、繰返し精度は、油圧マンドレルの方が優位です。また、油圧マンドレルについては、ワークを端面で受けることが出来るという点も、繰返し精度に正の影響を与えます。
内径基準と端面基準で測定が可能
拡張式マンドレルは、内径基準の振れのみ測定が可能ですが、油圧マンドレルは内径基準の振れに加えて、端面基準の振れの測定が可能です。
拡張式マンドレルが有効な検査仕様・ワーク等
拡張式マンドレルは、以下の検査仕様・ワークで有効に活用できます。
試作・開発段階における検査
拡張式マンドレルは、測定範囲が広いことから、仕様変更が予想される試作・開発段階の検査において適していると言えます。また、油圧マンドレルと比較してコストが安価な点もあり、拡張式マンドレルは試作・開発段階においては優位です。
投資コストを抑えたい場合
内径基準の振れのみを測定したい場合、油圧マンドレルよりも拡張式マンドレルを使用した方が、コストを抑えることができます。ただし、端面基準の振れも測定したいという場合には、拡張式マンドレル以外の検査工程が必要となりますので、生産性・コストの面から、油圧マンドレルが優位になることもあります。
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