当ページでは拡張式マンドレルと三次元測定機について、作業性やコストなどを比較します。
拡張式マンドレルと三次元測定機の比較
拡張式マンドレルと三次元測定機を比較した場合の、拡張式マンドレルのメリット・デメリットを説明します。
拡張式マンドレルのメリット
まずは拡張式マンドレルのメリットです。
コスト
拡張式マンドレルのメリットとして、コストがあげられます。三次元測定機については種類も多様ですが、接触型の三次元測定機では一千万円を超える価格になり、一方で拡張式マンドレルは数十万円と、価格優位性を持ちます。
測定スピード
拡張式マンドレルは測定スピードに優位性があります。ギアなどの対象ワークをマンドレルのジョーに挿入し、手でスライドさせるだけでワークセットが完了、すぐに測定できます。対して三次元測定機は、プローブの先端に搭載された接触子をワークにあてX・Y・Zの座標軸を指定し測定しますが、プローブが動きワークを測定しますので時間がかかります。
測定作業の標準化
拡張式マンドレルは、測定に特別な技術が不要であり、従業員の技術に依存しない点がメリットと言えます。三次元測定機は、測定プログラムの設定をはじめ使用方法が難解であり、作業を行うまでの講習の実施や、作業経験が必要になります。
拡張式マンドレルのデメリット
一方で、三次元測定機と比較した場合に、拡張式マンドレルにはデメリットもあります。
測定精度
拡張式マンドレルと三次元測定機を比較した場合に、測定精度の差があります。拡張式マンドレルでは、多くの場合、測定精度が2.5㎛程度になりますが、三次元測定機は1㎛程度にて測定が可能となります。
測定範囲
拡張式マンドレルでは、内径基準の加工品測定に多く使用され、主な用途は外径の振れ測定です。一方で、三次元測定機は、寸法、輪郭形状、各種幾何公差など、多くの項目で測定が可能です。
多品種対応
拡張式マンドレルは、ギヤをはじめとした円形状のワークの測定に限られています。また、拡張式マンドレルの特徴である「拡張」についてですが、小径ワークを対象とするマンドレルでは内径φ9.5~φ12.5まで、大径ワークを対象とするマンドレルはφ50.5~φ63.5まで、という対象範囲となります(当社の拡張式マンドレル”Zero Chuckでは、拡張範囲を広げた特注機も提供可能です)。
一方で、三次元測定機では寸法の上限・下限はあるものの、形状・サイズに柔軟性があり、1台で多品種対応が可能となります。
拡張式マンドレルが有効な生産仕様・ワーク等
拡張式マンドレルは、以下の生産仕様・ワークで有効に活用できます。
検査数・ロット数が多い
拡張式マンドレルは測定スピードが早く、ロット数や検査数が多い場合に向く測定方法になります。拡張式マンドレルは、抜き取り検査だけでなく全数検査に用いられることが多くあります。一方で、開発段階の試作品や抜き取り検査の場合は三次元測定機が有効な測定機器となります。
対象ワークが円形状で品種が少ない
拡張式マンドレルは、前述した通り、ギヤをはじめとした円形状のワークについて、外径の振れなど、測定が可能です。拡張範囲も狭く、三次元測定機と比較し試作品などのワーク測定には向きませんが、量産時の円形状のワーク測定にはベストな測定方法になります。
測定機器の設置スペースが狭い
三次元測定機と比較し拡張式マンドレルは省スペースで設定可能な検査機器であり、設置スペースが限られている場合でも使用が可能です。三次元測定機は、恒温室など専用の検査スペースに常設して設置しますが、拡張式マンドレルは現場に設置し、生産現場で測定用途にて使用することが可能です。
当社の拡張式マンドレル “Zero Chuck”
当社は、拡張式マンドレル”Zero Chuck”を開発し、測定に悩みをもつ品質管理担当者・検査担当者の皆様の課題解決を行っています。拡張式マンドレル “Zero Chuck”については、以下のページにて紹介していますのでご確認ください。